犬系な彼の飼い主はじめました!?
「あーあ。振られちゃった」
俺って本当に最高に馬鹿野郎だ。
「…いてぇな」
心臓が動くたびに不快な気持ちになる。
痛い。
好き。
嫌だ。
こんな気持ちになんかなりたくなかった。
そんなんだったら、あんな強引に言うんじゃなかった。
「俺のバーカ」
自分で言ってなぜか少し笑ってしまい、
ポッケに手を入れて
少し前のことを思い出した。
────あんときはこんな痛くなかったっけ。