きみと繰り返す、あの夏の世界
【XVI】おせっかい
相変わらず、蝉の大合唱がどこからともなく聞こえてくる月曜の午後。
夏祭りの楽しさを引きずったまま過ごしているこの日、生徒会室では。
「会長。スノコだったら、僕、高陵(こうりょう)駅で見かけましたよー。確か商店街の材木店だったかな?」
「でかした赤名! 高陵か。水樹と副会長の家の近くだな。今日、帰るついでに確認してもらっていいか?」
「うん。俺はいいよ。カルボなんか特にヘバッてるし、早めに用意してあげよう」
子猫たちの暑さ対策について話し合いをしていた。
子猫が住み着いている体育館裏は日陰も多い場所。
でも、真夏の太陽は容赦なく気温を上げていて。
さすがの子猫たちも夏バテしちゃいそうなので、どうにかできないかと水樹先輩が相談を持ちかけてきたのが今から30分ほど前。
今日の生徒会の仕事はあらかた終わって、早めに上がろうかと話していた最中だった。