きみと繰り返す、あの夏の世界
【Ⅱ】消えた彼
何かの冗談かと思った。
生徒会のメンバーである藍君が、水樹先輩のことを忘れるはずなんかない。
だけど、学校に着くまでの間、どれだけ水樹先輩のことを説明しても、藍君は首を傾げて私の脳内を疑うばかりだった。
私がおかしいのか。
それとも藍君がおかしくなっちゃってるのか。
混乱した頭のまま、私は始業式が始まる前に生徒会室へ向かった。
今日の始業式では生徒会長の挨拶がある。
挨拶といっても、仰々しいものではなく、今期の目標等と次期生徒会の選挙について軽く話すもの。
今日はその挨拶にあたり、朝から軽くミーティングを行う予定となっていた。