きみと繰り返す、あの夏の世界


「だけど、そんな姿も1週間ほど経った頃にはなくなって、普段どおりの彼に戻ってたよ」


知らない間に握り締めていた手は、じっとりと汗をかいていた。

チラリと水樹先輩の様子を伺うけど、先生の話にはあまり興味がないのか、水樹先輩はこちらに背を向け扇風機の前で涼んでいる。


「客観的に見てた僕は、なんだかそれが気持ち悪くてね。しばらくしてから彼に"彼女"のことを聞いてみたけど……」


"いた気がするけど、気のせいだったみたいです"


男子生徒はその後、自分はどうかしてたと笑ってたそうだ。


日長先生が語った男子生徒の言葉に、私の胸が不安で潰れそうになる。


なんなの、これ。

あれがただの夢ではなく、意味があるのかもとは思ってた。

だけど、これだけ同じだと……


意味があるだけではない、何かがある気がしてしまう。






私に



何が起こってるの?



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