きみと繰り返す、あの夏の世界


「おはようございます!」


扉を開けて挨拶すると、すぐに生徒会長の声が返ってくる。


「おはよう、真奈ちゃん」


会長はモデル並のハイスペックな顔に爽やかな笑顔を浮かべて私に向けた。


我が校の生徒会長、白鳥(しらとり)ひのと先輩は、校内でもダントツに際立つイケメンさん。

くっきり二重の目元。

少し甘さを持った声。

身長は178cm弱で、程よく筋肉のついたスレンダーな体。

ナチュラルで無造作に整えられたミディアムヘアーは会長によく似合っていて。


本来、こんなかっこいい人ならモテて当然なんだけど……


「1週間も君に会えなくて寂しかったよ。さあ、おいで、俺のビーナス!」


慈愛に満ちた表情で、私を迎えようと両腕を広げている。

が、もちろん私はそこに飛び込むつもりはないので笑顔だけでスルーした。


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