きみと繰り返す、あの夏の世界


ちょうどお昼の時間なので、瑚河駅に到着すると、みんなでお弁当と飲み物だけ購入する。

電車に乗り込むと、私たちは空いている席に座った。

この電車は対面式の席。

4人がけになっていて、なんとなく、男子4人で使って、私と三重野先輩が2人で座るのかな……と思ってたんだけど。


「ん……このおにぎり、なんかぼそぼそする。眠い」


ちょっと眠そうにしながらおにぎりをかじる、水樹先輩と私の書記ペアで座っていた。

もうひとつの席の窓側に座っている会長が、こっちを見ながら何か騒いでるけど、藍君と三重野先輩に静かに食べろと叱られている。

赤名君は鞄からミカンを取り出して、ニコニコしながら皮を剥こうとしていた。


ふと、先輩の視線が私の手にあるペットボトルに注がれる。


「真奈ちゃんのジュース美味しそう」

「そう思って買っちゃいました。美味しいですよ」


新作なのか、普段見たことがないフレーバーのカルピスが冷蔵の棚に並んでいたので購入したんだけど、当たりだったみたいでなかなか美味しい。


< 196 / 381 >

この作品をシェア

pagetop