きみと繰り返す、あの夏の世界
【XXII】強い想い
「おはよう、愛しのマイハニー」
一晩明けて。
支度を整えた私がリビングに入ると、会長が爽やかな笑顔で挨拶をくれた。
「おはようございます」
先に部屋を出た三重野先輩はキッチンに立っている。
三重野先輩の横には藍君。
2人は簡単な朝食の準備をしてくれているようだ。
私にも出来ることはないかと、キッチンに向かう。
「私も何か手伝います」
けれど、三重野先輩は首を横に振った。
「大丈夫。それより、影沢君がまだ起きないみたいだから起こしてくれる?」
「……えっ。わ、私がですか?」
「そうよ。起こすの得意でしょう?」
や、得意というか。
確かに、屋上で眠りこける水樹先輩をよく起こしに行ってましたけど。