きみと繰り返す、あの夏の世界
そして、不安は的中し……
「誰の話をしているの?」
三重野先輩は、首を傾げた。
「せ、んぱいまで、何を言ってるんですか」
これは、何なのだろう。
藍君と2人で私をからかってるの?
いや、そんなのはありえない。
会長と赤名君の2人ならまだしも、藍君と三重野先輩はそんなことをするような人じゃない。
三重野先輩はとても真面目な女性だし、藍君も面倒なことは好きじゃないタイプだ。
だとしたら、この状況はなんなのか。
「影沢水樹ですよ? 先輩と同じ3年で、生徒会書記の水樹先輩です!」
「書記って……書記は、あなた1人だけでしょう?」
──そんな、わけない。