きみと繰り返す、あの夏の世界
【XXV】信じるよ
みんなは私の話を聞いて、すぐに助けに行こうと言ってくれた。
おじさんに事情を説明すれば、お昼も終わりピークも過ぎたからと快く許可してくれて。
エプロンを脱ぐと、会長が私たちに指示を出す。
「じゃ、手分けして探そう。真奈ちゃん。赤名はどっちに向かった?」
「第二ビーチの方です」
この海は2つに分かれていて、私たちがバイトしている海の家があるのは第一ビーチ。
岩のトンネルをくぐった先にあるのが第二ビーチと呼ばれている。
第一ビーチは砂浜が広く綺麗なのが特徴。
第二ビーチは岩場もあり、ダイビングをする人もいるビーチだ。
「オッケー。俺は駐車場の方を回る。玉森はビーチの西側。水樹は東側の岩場の方を。女子は単独だと心配だから、誰かと一緒に。真奈ちゃんは俺──」
「それなら、私は玉森君と行くわ。望月さんは影沢君と。駐車場はそんなに広くないだろうから、あなた1人で大丈夫でしょう?」
「指示ミス! うっかりボッチだよ俺!」