きみと繰り返す、あの夏の世界


「赤名はちょっと変な子だけど、素直でいい奴だ。そんな赤名が、こんなに必死な顔で訴えてる」


言いながら、水樹先輩は赤名君に視線をやって。


「赤名がやってないって言ってるなら、やってない」


きっぱりと言い切った。

私も、水樹先輩の隣に立って頷く。


「私も、そう思う」

「モッチー……」

「いつだって目標に向かって真っ直ぐに進む赤名君が、そんな卑怯なことは絶対しない」


凄く長い付き合いがあるわけじゃない。

それでも、赤名君が人騙したりするような人じゃないのはわかるから、自信を持って断言すると。


「その通り!!」


突如、私たちの背後から聞きなれた声がした。


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