きみと繰り返す、あの夏の世界
「会長!!」
振り向けば会長が腕を組んで立っていて。
会長の少し後ろには、三重野先輩と藍君もいた。
水樹先輩が小声で「見つけてすぐに位置を知らせといたんだ」と私に教えてくれる。
多分、様子を伺っている最中に連絡していたんだろう。
さすが水樹先輩。
抜け目なくてかっこいいです。
藍君は赤名君を見ると、少しだけ口の端を上げる。
「そいつ、変な人尊敬したりするバカだけど、クズじゃないんで。人のモンをパクるとかまずないから」
変な人とは会長のことだろう。
本人も気付いてるのか、笑みを浮かべている会長の眉がピクリとひきつった。
人数が増えたからか。
それとも、赤名君の言葉を信じ始めているのか。
元クラスメイトたちが動揺するように目を泳がせる。