きみと繰り返す、あの夏の世界
【XXVI】優しい拒絶
バイトも終わり、週があけて。
「……赤名君、何してるの?」
月曜日の朝、バスを降りて通学路を歩いていたら、学園近くの曲がり角で、身を潜めている赤名君を発見した。
「シッ! モッチー静かに」
塀と電信柱の隙間から覗き込むようにしている赤名君の視線の先には、登校中の会長。
「会長見てるの?」
「そう。ストーカーしてるんだ」
「はい?」
「会長のようにイケてる男になるべくストーカーなうなの」
「へ、へぇー……」
確かに会長は変態ちっくなところに目を瞑れば、ハイスペックでかっこいいと思うけど。
今更ストーカーするのはちょっと理解不能だ。
こういうとこ、赤名君は相変わらずだなぁ。
でも──