きみと繰り返す、あの夏の世界
「あれ? 藍君はまだ早くない?」
藍君は集合まであと1時間くらいは余裕があるはずで問いかけると、彼は小さく首を縦に振った。
「少し気になることがあるから確かめたくて早めに出た。あんたは買い出しだっけ」
「うん。ところで、気になることって?」
バーベキューに関して何かあるのだろうかと思って聞いたんだけど……
「……ちょっとな」
藍君はそれだけ答えて、到着した電車に乗り込んでしまった。
私も藍君に続いて車内へと乗り込む。
夏休みとはいえ、お盆休みも終わった電車内は比較的人もまばらだ。
隣の駅までは5分くらい。
その間、何か考えているような藍君と私は、二言か三言くらいしか会話を交わさなかった。