きみと繰り返す、あの夏の世界
【XXX】許してください
窓の外には、綿菓子のような入道雲。
時刻は午後の3時を過ぎたけれど、空の色はまだ青い。
私は、その景色を一瞥し、カラカラと控えめな音を立てて生徒会室の扉を閉める。
──あれから、学園に戻った私たちは、何も手につかないまま解散となった。
私だけなかなか腰を上げられず、先に帰っていくみんなの背を見送ったけど、誰もが元気のないもので。
そして、誰よりも落ち込んでいるように見えたのは水樹先輩。
……ううん。ちょっと違うかも。
落ち込んでるっていうよりも、ずっと難しい顔をしていた。
帰る時も、みんなに挨拶もせず生徒会室を出て行ったのを思い出す。
そういえば、体育館裏にあるヤキソバたちの物はそのままでいいのかな?
個人的には寂しいし、しばらくは片付けたくない気持ちが強い。
でも、先生たちは片付けるように言いそうだなぁ……