きみと繰り返す、あの夏の世界


私は何かをしてしまったの?


子猫が死んだからダメって、何?


水樹先輩が私を拒絶する理由がわからない。

けれど……私の気持ちを押し付けて話してもらう勇気も出なくて。


「……帰ります、ね」


また明日とも言えず、ぎこちない別れの言葉を残し、私は足を必死に動かして体育館裏から離れた。


肩に掛かる鞄が凄く重い。

いつも、こんなに重かった?

今日は何か入れたっけ?


おかしいなぁ。

何だか歩くのも辛いや。


辛いから、少し休んでいこうかな。


今なら人もいないし。


少しだけ……少しだけ、休ませて。


< 297 / 381 >

この作品をシェア

pagetop