きみと繰り返す、あの夏の世界
【XXXIII】行かないで
一夜明けて。
私は生徒会室で、ぼんやりと手元の資料を眺めていた。
これは、再来週から始まる2学期について色々と書かれてあるもの。
10月には再び生徒会の総選挙があり、それについてのミーティングも今日行われる。
三重野先輩が資料を読み上げる中、私はそっと隣の席を見た。
いつもなら、少し眠そうにしながら話を聞く水樹先輩がそこにいるはずなのに。
「──なので、望月さん、この辺りの説明を影沢君にお願いね」
「あ……はい。わかりました」
昨日のことが原因なのか、水樹先輩は登校してこなかった。
ふと、窓の外に視線をやる。
午前中に見えていた青空は今はなく、灰色に変わっていた。