きみと繰り返す、あの夏の世界


「俺も何度か連絡してるんだけどね。メールも反応なしで、LINEも既読にならないしなー」


携帯落としたっていうオチ?

なんて続けた会長に、私が何も答えられずにいたら。


「真奈ちゃん、昨日は寝れた? 目が少し赤い」

「……ちょっと寝不足ですけど、大丈夫です」


心配してくれる会長に苦笑いで応える。

すると会長は「無理はしないように」と元気付けるような笑みを浮かべてから、席に戻って自分の荷物をまとめ始めた。


「なんかモッチー、元気ないね。水樹先輩と喧嘩したのかなー?」

「……さあ?」


赤名君と藍君が小声で話しているのが聞こえる。


……喧嘩、なんだろうか。

それより、意味も重さも違う気がする。


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