きみと繰り返す、あの夏の世界


「相性みたいなものもあるんだとは思うけど、多分、大抵は1度きりで、夢やデジャヴに感じて終わるんだと思うよ」


まさに、私の状態だ。


「そして、時間を戻ってたことを知らずに未来に進む」

「時間を……戻る……?」


つまり私は、時間を戻ってきたから、起きる事を知っていた……ということ?

夢で未来を見てきたわけではなく、私が時間を戻ってきたの?


「い、いつ戻ったんだろう……」


恐る恐るといった感じで零すと、水樹先輩は私を見つめると悲しそうに微笑んで。


「いつかはわからないけど、きっと俺が巻き込んだ」


そして続けて、ごめんねと謝られる。


「謝らないでください……」


水樹先輩なら、どんなことでも巻き込んでくれてかまわないのに。


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