きみと繰り返す、あの夏の世界
残酷で現実味のない話しにまだ心がついていけない部分もあるけど……
先輩がちゃんと話してくれたおかげで、今まで感じていた疑問が晴れた気がした。
子猫を助けられた時の言葉も。
『ずっと……諦めてたから、今、すごく嬉しいんだ』
寝ぼけて零した言葉の先も。
『ごめんね……俺……君を、また……』
この夏を繰り返し苦しんできた水樹先輩の、心からの声だったのだ。
正直、実感はないけれど。
それでも死という底冷えするような響きには、思わず眉を寄せてしまう。
不安で胸がいっぱいにもなってる。
でも──
先輩の言葉には、頷けない。