きみと繰り返す、あの夏の世界


水樹先輩は消えていない。

私が心配しないようにと気遣ってくれて、毎日朝と夜にLINEのメッセージで連絡をくれるのだ。


今日も朝からメッセージをくれた。

ただ、明日の始業式には来ないかもしれないらしい。


信じてみようと思う。

覚悟も少しはできた。

だけど、明日は学校には近づきたくないのだと言っていた。

そして……


『真奈ちゃんも、明日は学校に行かないで』


警告にも似た文面に、私は眉を顰めた。


学校を避けるということは、私は学校で事故に遭うんだろうか?

でも、学校に危ないものなんてあった?

そこでハタと気付く。

私、水樹先輩からどこでどうやって事故に遭うのかを聞いていない。

それさえ知っていたら、防げるんじゃ?

そう思って、確認しようと水樹先輩にメッセージを送ったんだけど……


「……あれ? 電波障害?」


それともサーバーに負荷がかかっているのか。

私のメッセージは未送信の状態になったまま。


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