きみと繰り返す、あの夏の世界


「みんな……」


神隠しについて調査していたとはいえ、それが突然、自分たちのまわりで本当に起こるなんて言われたら、普通は信じられなくてもおかしくないのに。


「信じてくれてありがとう……」


お礼を告げた私に、赤名君がニコッと笑って。


「モッチーだって、みんなだって僕を信じてくれたし」


当たり前だよと続けると、赤名君は隣にいる三重野先輩に「ですよねー」と話を振る。

女性らしく、正座を少し崩し座っていた三重野先輩は自分に振られるとは思ってなかったのか、ちょっと驚いた様子だ。

その三重野先輩の姿に、私は自然と頬を緩めた。


「三重野先輩も、ありがとうございます」


藍君もだけど、三重野先輩は少しクールな印象があるから、こうして駆けつけてくれたのが素直に嬉しくて改めて感謝を伝える。

すると、三重野先輩は綺麗な顔に優しい笑みを乗せた。


「あなたたちが前に言ってたじゃない。1人より2人。2人よりも3人。なら、3人より私たち生徒会みんなよ」


それは以前、三重野先輩が川でアヒルのストラップをなくした時に交わした言葉。

三重野先輩……あんな些細な言葉を覚えてくれていたんだ……


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