きみと繰り返す、あの夏の世界
【エピローグ】キミのいる夏
9月中旬。
あれから私は──
「ということで、来月の生徒会選挙後の引継ぎ式用に、各自1分程度のスピーチを用意しておいてくれ」
今日も生徒会室に通い、何事もなく平和な毎日を過ごしている。
神隠しに遭うんじゃないかと危惧していた水樹先輩も……
「ってコラ水樹ー。舟こいでる場合じゃないぞ。お前のスピーチが一番心配」
こうして会長に突っ込まれつつ、今日もマイペースに過ごしている。
眠そうにしながら適当に頷く水樹先輩に、私は苦笑いしながら夏休み最後の日のことを思い出していた。