きみと繰り返す、あの夏の世界
『あれっ、君は屋上で俺を踏んだ子だ』
『あの時はとんだ失礼をっ』
『俺、人に踏まれたのアレが初めて。よろしくね』
『へ?』
『今日から、俺と一緒に書記だろ?』
1年の秋に入った生徒会に水樹先輩がいて。
『ということで、バーベキューの買い出しはこの俺、生徒会長様のパワハラにより、望月(もちづき)真奈と影沢(かげさわ)水樹の両名に任命する』
『だってさ真奈ちゃん。頑張ってね』
『え、ちょ、水樹先輩も頑張ってくださいねっ?』
生徒会のみんなと一緒に過ごすうちに……
『来年の夏、水樹先輩はいないんですね』
『卒業しちゃうからね』
『……寂しいなぁ』
『それなら会おう。来年の夏も、夏と言わずいつでも。俺、真奈ちゃんといるの好きなんだ』
こんなにも、彼を好きになるなんて。