きみと繰り返す、あの夏の世界
【Ⅶ】一瞬の表情
「さあ! やるぞー!」
プールサイドに立ち、抜けるような青空に向かって私は拳を突き上げた。
今日はいよいよプール清掃の日。
生徒会メンバーは皆ジャージに着替えて準備万端だ。
もちろん、水樹先輩もちゃんといる。
昨日は別れ際の『また明日』という言葉に、来なかった明日を思い出して不安になってしまったけど……
「真奈ちゃん、やる気満々だね」
こうして、私に向かって笑いかけてくれている。
そうだよね。
他のはデジャヴとかそういったものだとしても、人が突然消えるなんて、そんなのが現実に起こるわけがない。