きみと繰り返す、あの夏の世界
「先輩……?」
「……は……かと思った……」
「え?」
よく聞き取れなくて聞き返すと、先輩は唇を噛んでから……
ふっ……と、肩の力を抜いて、微笑んだ。
「良かった。無事で」
そう言って、私を支えて起こす。
そこにいるのは、いつもの柔らかい雰囲気を纏った水樹先輩だった。
私が再び感謝を伝えると、会長たちが駆けつけて。
水樹先輩の様子が少し気になったけど……
結局、私は何も聞けないまま、また掃除を再開した。