きみと繰り返す、あの夏の世界
【Ⅹ】未来をください
──生徒会室。
スポーツドリンクの入ったペットボトルを片手に、パチクリと瞳を瞬かせた会長が僅かに首を傾げた。
「子猫?」
「はい、どうにか保健所に連れて行かれないようにしたいんです」
「白鳥、生徒会でどうにかできないかな?」
水樹先輩と一緒に頼むと、会長は腕を組んで考え込む。
「確かに、保健所はかわいそうだよなぁ」
動物が保健所に連れて行かれ、最悪どうなってしまうのか。
会長もそれを考えて切なげに眉を寄せた。
そこに、藍君が口を開く。
「けど、生徒会として動くのはちょっと無理なんじゃないスか?」
「んー……確かに、僕ら生徒会ができる範囲って限られてるよね」
赤名君は藍君に同意するように言った。
それを聞いた水樹先輩は「そうだね」と一度肯定してから。
「それでも、個人で動くよりかは子猫たちの命を救える確立は上がると思うんだ」
生徒会として動くことを願った。