-The Real Me-
-プロローグ-
「はぁ~マジで、キャハハ超うぜぇー」

 辺りはすっかり暗くなっていた午後11時過ぎ。一人の高校生が電話をしながら帰宅する途中だった。

 ギィッキィキィ……。一瞬、地面を金属が擦れる様な音がした。

 次の瞬間「ぎゃぁぁぁ――――っ」

 ズドン、グヂャッ、グヂャッ!?

 振り返った高校生の側頭部へ、その金属の塊が打ち込まれた。何度も、何度も。
 人通りもない、静かな住宅街に鳴り響く頭部を殴打する鈍い音。

「どうしたの!? リサっ、リサー」

 地面に叩き付けられた携帯電話からは、心配そうに動くことを止めた持ち主の名前が呼び続けられていた。
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