-The Real Me-
 ピンポーン。

 中条は少女の家のチャイムを鳴らした。

 コンコンコン!!
「吉野ぉ、いるか!? なぁ吉野―――っ」

 玄関の外で声がする。
 少女はフラつく身体で下へ降りて行った。

「な、中条君!?」

「あぁ、良かったぁ…学校来てないし、電話も出ないし…それでオレ……。はぁ…でも良かったぁ」
 中条は安心した様子で地面にしゃがみこんだ。

「ご、ごめん、ちょっと体調悪くて…でもありがとう、心配してくれて」中条の気持ちが嬉しかった。

「確かに顔色悪いなぁ…無理するなよ」

「うん、分かってる」中条の優しさが少女には辛かった。

「あ、そうだ、いいニュースがあるんだ」思い出したように笑顔で中条が言った。

「実は、あの犯人、もしかしたら捕まえられるかもしれないんだ。山口が殺された時、アイツ直前にダイ.イングメッセージを残していたんだ」

「えっ…」

「その解読をオレも今から手伝う事になったんだ。オレの推測だと…犯人は身近にいる気がする」

 少女の瞳孔は大きく開き、心拍数が加速していく。

「だから心配すんな、絶対オレが守ってやるから」
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