-The Real Me-
 日に日に少女の身体は衰退していった。神経衰弱は進み、精神は不安定になり、不眠症に陥り、眠れない夜が続いた。

 浅い眠りから覚め、リビングに降りると、テーブルの上に朝食のサンドイッチがラッピングされて置いてあった。

 そしてその隣には一通の手紙が添えてあった。

《-多恵へ-
お母さん今日も早いので先に出掛けます。あんな事があってからでは食欲がないののは分かりますが、朝はしっかり食べなきゃダメ!!
それと最近顔色が悪いのがとても心配です。お医者さんに連絡しておくので、一度診てもらいに行ってらっしゃい。
-母より-》


「お母さん…ありがとう」
 少女は“母”からの手紙を大事そうにしまい、久し振りの朝食をかみしめた。


 午後から手紙に記されていた病院へ行き、診察をしてもらった。
 担当医はとても優しそうな中年の男性だった。母の知人ということも聞かされ、まだ若々しく、どこか自分の父にも似た感覚がし、好感が持てた。
 医師も親身になって話しを聞いてくれた。
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