-The Real Me-
 学校へ着くと辺りは騒然としていた。明らかに普通ではないのが遠目にも分かった。

 数十人の警官、パトカー、撮影器材を持った集団、中にはカメラやマイクを向けられている生徒もいた。それを保護する教師達は校門前で忙しそうに誘導している。
 それらを取り囲むように近所から集まったであろう野次馬。

 普段見ることのない人間たちが学校へ押し掛けていた。

 満員電車の中をすり抜けるように校内へ入った。

「吉野ぉー」後ろから聞き覚えのある声が。

「中条君、おはよう。ね、ねぇどうしたのコレ…何があったの?」少女は恐る恐る聞いた。

「見てないのかニュース……殺されたらしいんだ、加藤深雪ってヤツ…。知ってるかな、確か同じクラスだったよな」

 ドクン、ドクン、ドクン…。

 少女の顔はみるみる内に青ざめていった。

「加藤…さん……」

 知らない訳がなかった。日常的に自分をイジメていた生徒の内の一人だ。

 しかし少女が驚いたのはソレだけだからではなかった。
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