私、零泉嬢になります!
---入学式―――

*遥翔side*

「緋奈っちぃぃぃ♡」

遠くの方で聞こえる男の声。
うるせぇな。

「この学校はくそ坊ちゃんしかいねぇのかよ。」

「あら、何言ってらっしゃるの、零泉財閥の坊ちゃん? (クス」

背筋がぞくっとする。この声は・・・。

「おはよう。今日からずっと一緒よ。遥翔様♡」

「うっ・・・。奈瑠嘉・・・・。」

こいつは、日向奈瑠嘉(ひゅうがなるか)。
名映画監督日向良介の愛娘だ。

何か親には「将来のお嫁さん」とか言われてるけど
俺はその気全くなし。

っていうかこいつに興味なし。

奈瑠嘉は、ショートボブの髪に華奢な体。
趣味は、手芸で顔立ちもなかなか。だが、こいつすっげぇぶりっこ!!
俺には、むかねぇ!

ここで、結婚相手が見つかれば、奈瑠嘉と結婚しなくて済む!
取り敢えず、その相手を見つければいい。

結婚なんてしたくねぇ!

「遥翔様♡ 早く教室に行きましょう!」
「あぁ、そうだな。」

俺のクラスは、S級クラス。

変な奴の集まりだろうな。
まぁ、どうせハーレムできるだろうし、その中から適当な奴選べばいいや。



ガラガラ・・・・・・・

入学式まで、まだ20分くらいあるか・・・。
結構もう集まってるんだな。

「緋奈っち!席となりだよー!!」

うわっ!朝のあいつだ・・・。同じクラスとか・・・。

この一年先が思いやられる・・・。

(あいつ周りにハートと花が飛んでるような・・・)

「遥翔様っ♡ 私たち席が隣よ。これもまた、運命!」

「あぁ、はいはい」



俺たちの“物語”の始まり・・・。
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