私、零泉嬢になります！

*遥翔side*

「いやいや、あんたに用はないんだけどな。ま、いいや。返事は今度聞かせてね♪ひーなちゃん」

なーんてね。

あの子確かに、綺麗だけど、

俺が、結婚とかに興味ないのは変わらない。

そして、あの子を選んだ理由はもう一つある。
あの子も恋愛に興味がないこと。

聞かなくても見てるだけで分かる。

俺は、親の束縛から逃げたい。
それだけ。

あの子も少し利用できればそれでいい。





数日後。


「緋奈ちゃん、ちょっといいかな？」
「あ、はい。」

俺は、一ノ瀬を俺専用の部屋に呼び出した。

入学式からのこの数日で一ノ瀬のことはちょっと分かった。

とにかく、庶民。
のくせに何故か、目を引く存在。

「この前の返事聞かせてくれる？・・・　なーんてね。俺が今日ここに一ノ瀬を呼び出したのは、取り引きをするため。まぁ、俺の言うとおりにすればいい。」

驚くか？まぁ、無理もな・・・

「その取り引きをすれば、私は普通の高校生活を送れるんですか？」

少し睨んでいるのか…？意外だな。

「あぁ、それは約束してやる。」

「どんな取り引きなんです。」

「俺の親の前で、俺の彼女のふりをしろ。」

「何故ですか？」

「俺に付きまとってる奈瑠嘉っているだろ？あいつが正直うっとうしいんだよ。それに、俺は結婚とか興味ない、ましてや、親が勝手に決めたやつとなんて嫌なんだ。それで、一ノ瀬に彼女のふりをしてもらうことにした。そうすれば、俺は奈瑠嘉から解放される。」

「彼女のふりをするだけでいいんですね、分かりました。」

へぇ、意外に理解が早いんだな。