君だけを見つめて君だけを…

六花さんは俺の腕に腕を組んで高飛車かんたっぷりな感じで隣を歩く…

しかもここに来る前にまた、キスマークつけてきて…こんなん見られたくねーなって 思ってると、
少し前に俺が知ってる姿よりもだいぶ華奢でおれてしまいそうな、
めいの姿があった…

食べ物の話をしてるときの顔…

スゲー楽しそうに隣の男と話してる…

俺は胸がいたくなった…

あの場所は俺の場所だったのに今

俺の知らないやつがそこにいて…


めいが笑って…

鼻につーんっと来る…
ヤベーなに泣きそうになってんだよ…

泣くもんかって歯を食い縛った…

それからすぐめいたちは人混みのなかに消えていった…


そのあとはもう、めいのことしか頭になくて…
いつの間にか花火も終わって俺はどうやって帰ったのか家にいた…


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