紅い龍〜俺に一生ついてこい〜
遅刻したからってこんなとこで寝るか?普通。
こいつ、おもしれえ。
『……クックックッ』
紅「おい、笑うな。お前笑い過ぎ。イラつく」
どっから出てんだよその声。
女かどうか疑うくらいの低い声。
『あ?お前じゃねえ。蒼だ。』
紅「そこかい!」
すかさずツッコミをいれてくる紅。
『おぉ、さすが関西人。いや、そんなことはどうでもいい。俺のこと蒼って呼べ。』
彼女は怪訝そうな顔をした。
そして、何かを思いついたような顔をしてニヤッと笑った。
紅「………………五十嵐。」
その名前で呼ばれたくねえ。
俺の嫌いなやつの名前。
この話は後々話そう。
『だから、蒼!五十嵐じゃねえ。蒼って呼べよ。』
彼女は眉をひそめた。
紅「…わかった。………蒼?」
名前を呼ばれたことが嬉しかった。
俺、こいつのこと気に入ったかも…
『うん、それでいい。』
俺は満足気に笑った。
彼女は少し目を見開いて、
紅「ふふっ」
と笑った。