再会の誓い
再会の誓い
あと数十分で別れのときがやってくる。
行き交う靴音と人の声。
ときおり流れてくる、乗客へ向けたアナウンス。
朝からずっと沈んだ気持ちのままの私の周りで、雑音が煩い。
空港の出発ロビー。
私はこれから旅立つ彼を笑顔で見送るためにここにいるはずなのに、笑顔を作るどころか、さっきからずっと顔をあげられない。
彼の顔が見られない。
「顔あげろよ。これが永遠の別れってわけじゃないんだから」
俯く私の顔を覗き込んで、彼が笑う。
「どうして笑えるの?」
私は、これが永遠の別れになるんじゃないかと思うくらい不安で淋しい。
低い声でつぶやいて睨むと、彼が困ったように肩を竦めた。
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