キミ想い、恋の手

クラスが違っても、瀬尾君の噂はよく聞いた。
｢カッコイイ｣だの、｢告白されてた｣だの…。
きっと、私みたいに一目惚れした人もいると思う。
瀬尾君は、女の子の注目の的だった。
瀬尾君の周りにはいつも女の子がいた。
[いた]ってよりも群がっている感じ。
瀬尾君に、群がる女の子たちは脚が細くって、綺麗にお化粧された美人な人達ばっかだ。
きっと、ノリも良くて面白い話が出来る女の子なんだろう。
私とは大違い。
私は、可愛い訳でもないし、どちらかというと大人しいし、面白い話も出来ない…。
｢はぁ…｣つい、ため息が、漏れた。