【貴方と本当のキスがしたい。】(*ラブコスメ参加作品)

我が社と取引のある

TF商事の棚藤(たなふじ)常務は27歳。

藍原専務のように社長の息子で

未来の社長になる御曹司。


入社後、暫くしてから

『一目惚れした。』

そう棚藤常務から告白されて以来

『…俺と付き合って欲しい。
ここ辞めて俺の秘書になってよ。』

と、再三に渡って

交際を申し込まれていた。

『一度だけでいいから
一緒に食事だけでもして欲しい。』

何度も懇願されて仕方なく

2回だけ食事に行った事はあった。

口調や外見は軽そうに見えるけど

意外と真面目な話をしたり

年齢が4歳しか離れていない為か

会話が弾んで

実際に楽しかったのは事実だった。

しかし、やっぱり

藍原専務とつい比較してしまったり

報われないのに

専務が好きな気持ちが勝ってしまった。

結局

棚藤常務との交際は考えられないと

答えを出した私は

以来、交際も食事もお断りしている。

勿論、専務の耳にも入って

『…棚藤常務と個人的に会うのは
もう絶対やめろ!!
秘書の立場を
わきまえてくれないと困る。
…これは専務命令だ!!』

そう注意をされた事も大きかった。









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