【貴方と本当のキスがしたい。】(*ラブコスメ参加作品)


すると

「…今日は本当に楽しかった。
また、今度…君がこちらに来た時や
俺が君の地元の近くへ
出張に行く機会があれば
俺と一緒に食事して貰えないか?
…また色々話がしたいし
聞かせて欲しい。」

真剣な眼差しで見つめられた。

その瞳に胸が高鳴り

顔が紅くなるのを抑えつつ

「…私もまた藍原さんと
お食事してお話したいです。」

そのお誘いに応じると

彼は再び口元を綻ばせ優しく微笑んだ。



…その瞬間

この人をいつか好きになるかも。

…そう予感した。

実際にそう時間はかからず

その後私は本当に

藍原さんに恋心を抱く事になった。

あの綻んだ口元を

私は忘れる事が出来なくなっていた。


…数週間後。

藍原さんは本当に私の地元に来て

私を食事に誘ってくれた。

念入りに鏡を見ながら

あの時と同じリップグロスをつけた。

緊張で胸がドキドキしたけど

再び会えた嬉しさで

たくさんたくさん話をしていた時

「…これ、君にあげるよ。」

そう言って彼は

私の前に小さな紙袋を差し出した。
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