【貴方と本当のキスがしたい。】(*ラブコスメ参加作品)

「…あっ、これって。」

開封した中に入っていたのは

私がつけている

リップグロスのメーカーの

もうすぐ発売予定の新商品だった。

「…どうしたんですか?
これって…まだ発売されてないのに。」

驚く私に

「…そのメーカーに
俺の知り合いがいるから
特別に試供品として貰った。
君の唇に似合うと思ってね…。」

そう言って

藍原さんは私の唇を指差した。

「…えっ!?」

ドキッとする私に

「…そのグロスをつけた君の唇。
健康的で柔らかそうに見える。
美紅ちゃん…可愛いよ…。
その唇は俺を誘惑してるみたいで
キスしたくなるよ…。
これからも、食事の時は
そのグロスつけて来てくれよな?」

そう言って彼は

私を見つめながら口元を綻ばせた。

えっ!?藍原さん!?

今、私に

『キスしたくなる…。』って言った?

急に恥ずかしくなってきて

私の顔が…心が…熱く火照り出した。

まともに顔が見れなくなってしまう。

整った顔に綺麗な瞳。

薄くて形の良い唇…。

時々綻ぶ口元。

…狡いぐらい素敵過ぎる人だ。
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