続・心友。~もうひとつの想い~
「でもキミなら、離れかけた男の気持ちを、もう一度振り向かせることぐらい容易いやろうに」
堂前がそう言うと、マリアはフーとため息をついた。
「相手は悟やで。あんなにわかりやすく顔に出されたら、そんな気も失くすわ」
「確かに……。わかりやすそうやもんな、あいつ」
堂前は小さく笑う。
「一種の犯罪やからな、あのピュア具合は。
藍をどんだけ大切に想っているのか、わかりすぎて……つらいもん」
ちらっと横を見ると、マリアはひざを抱え、ちょこんと座っていた。
いつも強気なマリアが、素直にそうボヤくから可愛くなる。
「それでもな、ウチは藍にはかなわへんもん。
藍は優しくて、しっかりしていて、気持ちのきれいな子やから……。
悟によう似合ってる」
「うん……」
「ウチは藍が大好きやねん」
清々しく、マリアはそう言った。