続・心友。~もうひとつの想い~

「でもキミなら、離れかけた男の気持ちを、もう一度振り向かせることぐらい容易いやろうに」


堂前がそう言うと、マリアはフーとため息をついた。




「相手は悟やで。あんなにわかりやすく顔に出されたら、そんな気も失くすわ」


「確かに……。わかりやすそうやもんな、あいつ」


堂前は小さく笑う。




「一種の犯罪やからな、あのピュア具合は。

藍をどんだけ大切に想っているのか、わかりすぎて……つらいもん」




ちらっと横を見ると、マリアはひざを抱え、ちょこんと座っていた。


いつも強気なマリアが、素直にそうボヤくから可愛くなる。




「それでもな、ウチは藍にはかなわへんもん。

藍は優しくて、しっかりしていて、気持ちのきれいな子やから……。


悟によう似合ってる」




「うん……」




「ウチは藍が大好きやねん」




清々しく、マリアはそう言った。


< 103 / 133 >

この作品をシェア

pagetop