続・心友。~もうひとつの想い~
「うんうん、ちょうどええわ、あんたなら」
そんな堂前の声は届かないのか、マリアは自分のひらめきにご満悦の様子。
「いや、ムリやから、そんなん」
「大丈夫やって。あんたのお勉強のじゃまにならんようにする。
そーやな、週に一回一緒に帰るだけとか、どう?」
「いや、そーゆー問題じゃなくて」
「フェイクなんやから硬く考えんで、えーやん。つきあってるフリをす・る・だ・け」
戸惑う堂前の反論を、マリアは楽しそうにかわして言った。
「あんたなら事情もわかってくれてるし、失恋したもの同士、妙な連帯感もあるしな。うん、名案やわ」
「どこがっ?」
ひとりで納得するマリアに堂前はムスッと言う。
「だってな、週1回ウチと帰るだけで、藍の気が楽になるねんで? 藍の笑顔のためやんか」
「それは…………」
あり得ない提案だと思っているのに、堂前はついついマリアのペースに乗せられそうになる。