続・心友。~もうひとつの想い~

「それにな、」


とマリアは続けた。




「ウチってコロコロ男を替えたら替えたで陰口たたかれるのに、今みたいにフリーでおったら、それもまた、うるさいねん。

『なんで誰ともつきあえへんの?』って、みんなに訊かれて、かなりめんどくさいし」


「ああ」


「あんたとつきあってるって言うたら、もうそれで済むし、助かるわー」


そう言うとマリアは座ったまま腕を広げて、大きな伸びをした。




「えー、他のやつらにも言うん?」


堂前はやはり気が乗らない。




「別に言わんでもえーけど、一緒に帰ってたら、そー思われるから同じやろ?」


マリアはケロッとしたもんだ。




「そんな大勢をだますなんて、抵抗あるねんけど」


「アハハ、大丈夫、大丈夫」




「いや、でも……」


堂前は大切なことを思い出した。


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