続・心友。~もうひとつの想い~
「だからこそ……やろ? だからこそ、あいつと似た顔でうろついて、その足を引っ張りたくはない」
堂前の口調が熱くなる。
あいつを思い出させないように、藍から離れること。
それだけが自分が藍にしてあげられることだと、堂前は信じていた。
「ふうん……」
マリアはしばらく考えて、それからもう一度堂前を見た。
「けどな、あんたはあんたやし、楡崎ではないやん。足を引っ張らんとこうと考えて、かかわらんようにするより、藍がおぼれそうになったら、手を差し伸べてあげてよ」
「…………」
「彼氏にはなれんかったけど、友人として、あんたはあんたとして、藍とかかわっていけばえーやん。
ウチはそーゆー考え方のほうが好きやわ」
ちょっとムキになって、マリアは言った。