続・心友。~もうひとつの想い~

「とゆーわけで、堂前も高校でつきあった子がゼロだなんて、さびしいこと言うてんと、ここらで一発フェイクな彼女でも作ってみ」


「いらんわ。つきあってるフリをするだけやろ」


堂前が思わず反論すると、マリアはちょこんと小首をかしげた。




「え、じゃあ、本気でつきあう?」


「は?」


「まー、友達からなら、別にいーけど……」


「ちょっ、ちょっと待てよ。なんで僕が告ったみたいになってんねん?」




あわてる問いには答えずに、マリアはクスクスと肩を震わせている。




「からかってんの?」


「さぁ?」




あかん、完全に向こうのペースや……。




堂前はため息をついたが、なぜか気持ちは晴れやかだった。



< 110 / 133 >

この作品をシェア

pagetop