続・心友。~もうひとつの想い~
「なぁ堂前。あんた今日、お金なんぼ持ってる?」
突然マリアがそう訊いてきた。
「え、3千円……くらい」
自分の財布の中身を思い起こして、堂前は答えた。
「あかんなー。足りへん」
聞こえよがしに、そう言う声。
「えー、まさかのカツアゲ?」
「アホ。今からメガネ買いに行くで。駅前に大型チェーン店があったやろ?」
「いや、別に今日じゃなくても」
「あかんあかん。明日から困るやん」
マリアの目線の先には、堂前が手にした無残なメガネがあった。
確かに……。
「しゃーない。ウチが2千円貸しといたろ」
元気にそう言うと、マリアはすっくと立ちあがった。
「立てる?」
それから、ポカンと自分を見あげる堂前の手を取り、引っぱりあげようとする。