続・心友。~もうひとつの想い~

恐るべし、小野寺マリア……。


行動が読めなすぎる。


男達が次々と彼女に翻弄されていく理由が、初めてわかった気がした。




しかし、このまま、手をつないで階下におりたら、校内に残っている連中から注目を浴びるにちがいなく……


マリアの真意がわからない。




「えっと、手……」


骨ばった自分の手に添えられた白く美しい指。


その手を確認するように堂前が目線を落としてつぶやくと、マリアは「へへへ」と照れくさそうに笑った。




「やっぱ、あかん?」


なんて、上目づかいに目の中をのぞきこんでくる。




「堂前とお手てつないで帰ったら、なんか変われる気がしたんやけど」


子供みたいに、マリアはそんなことを言った。




「なんかって?」


「今までの自分とサヨウナラみたいな……」


「つまりは……ヤケに、なってるってこと?」




そんなマリアに堂前は真面目に訊く。


< 113 / 133 >

この作品をシェア

pagetop