続・心友。~もうひとつの想い~

マリアがちらっと横を見あげると、堂前は平然と歩いていた。




「えーよ、別に。小野寺さんと歩くと、こーなることぐらい想定済みやし」


涼しい顔をしてそんなことを言う。


「ウチに騙された可哀想な男のポジションやからな、そこ」


マリアが釘をさすと、堂前は、ハハ、と笑った。


「光栄やな」




ふうん……。


結構余裕やん。




「『マリア』でいいよ」


「え?」


「『小野寺さん』じゃなくて、『マ・リ・ア』」




「ああ、うん。……了解」


ちょっとうつむいて、堂前は返事をした。




そのままふたりは黙って歩く。




なんか調子が狂うなぁ……。




通常マリアとつきあうようになって初めて帰る男子たちは、もっとハイテンションで舞い上がっている。


緊張してガチガチなのもいるけれど、それでも皆マリアを楽しませようと努力しているのが伝わってくる。


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