続・心友。~もうひとつの想い~
とにかく、こんなふうに沈黙のままテクテク歩くなんてパターンは、まずないのだ。
そりゃまー、堂前にしたら、好きでもない相手とならんで歩いてるだけやもんなぁ……。
なんてマリアはとなりを見あげた。
「ん?」
茶色がかった明るい色の瞳が、こっちを見る。
「もう手はつながへんの?」
小さな声で訊いてみると、堂前は足をとめた。
何かを見極めるようにじっとマリアを見つめ、それから静かな声で訊く。
「つなぎたい?」
不覚にも、ドキンとする。
そんなふうに訊かれるとは思わなかった。
「うん」
それでもマリアが彼を見てにっこり微笑むと、大きな手がスッと彼女の手をとらえた。
堂前の手の中に、マリアの手はすっぽりと納まってしまう。
なんでかな……?
堂前にそうされるだけで、マリアは胸がきゅんとする。