続・心友。~もうひとつの想い~

さっきもそうだった。


屋上から下りる階段で、堂前が不意に手をつないできたとき、マリアはビックリして、それからなんだかドキドキして……


うれしいような恥ずかしいような気持ちが、胸いっぱいに広がっていった。




いや、おかしい、おかしい。


ウチとしたことが、男と手をつないだぐらいで、


こんなんありえへんし。




それなのに……。


堂前は、またも平然と歩き始めた。


何事もなかったように、涼しい顔をして、淡々と歩を進めていく。




ウチの手をつかんだまま……!




「結構やり手なんやな」


マリアは堂前を見あげてそう言った。


「え?」


「もっと堅物のマジメ人間で、女慣れしてないタイプかと思ってた」




「そーやけど?」


軽く突っかかってみたけれど、堂前はとても素直に、そして不思議そうにそう答える。


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