続・心友。~もうひとつの想い~
「キミが提案したことやんか。何か……問題ある?」
堂前が訊く。
「別に。なんにも」
ツンと涼しい顔返しをして、マリアは言った。
手をつなぎたいと言ったのは自分なのだ。
それでも堂前が義務でそうしているのかと思うと、やはり淋しくなる。
「ど、堂前くーーんっ」
そのとき背後から、女の子の大きな叫び声が聞こえてきた。
振り向くと、ひとりの女子がバタバタと、こっちに向かって走ってくる。
同じ制服だから同じ学校の子だろう。
「知り合い?」
「ああ、同じクラスの子」と堂前。
立ち止まり、顔を見合わせるマリアたちに、やっとその子は追いついた。
そして、手をつなぐふたりの腕をいきなりつかむと、パッと思いっきり引き離す。
「ど、堂前くんに何をする気っ?」
マリアに噛みつくようにその子は言うと、堂前の手を取り、道端へと引っぱっていく。
「一緒に帰ってるだけやで」
訊かれたから答えたのに、マリアの存在はまったくの無視。